KLスカラン 第1回 by KAYA
複眼で見るマレーシアA面
1つのトピックについて母娘それぞれの感性で迫るコラボレーションコラム
*スカラン(sekarang): マレー語で「今」の意
はじめまして。私は現在マレーシア・クアラルンプール(KL)でIBDP(International Bacarolea Diploma Programme:国際バカロレア・ディプロマプログラム)に挑戦中のGrade11(日本の高校2年生に相当)のアメリカ式インター校生です。14歳まで日本で生まれ育ち、仏教系小学校(世界的に見ると仏教系私立小学校は珍しいのかもしれません)から中学受験を経て入学した中高には帰国子女はたくさんいましたが、私は英語経験ゼロ集団に属していました。
中高一貫校の黄金期、一番イキれる時期の中3〜高1直前、父の転勤に伴いKLに私は連行されました。中2の期末試験後、インター校のGrade8の最後の3ヶ月に編入するはずでしたが、コロナの影響でしょうか、家族よりひと足先に渡馬した父がKLの空港から強制送還され、どこの学校にも属さない時期を半年間も過ごす羽目になりました。その後ようやくこちらのインター校に転入し、言語などにも戸惑いながらも二年間その学校で楽しく過ごしました。(そのうちの1年間はほぼオンライン授業で終わりましたが…)しかし、Grade10の最後、次の二年間IBで学ぶ教科を選択する際に、元いた学校は小さかったために自分のやりたかった教科が開講されそうになかったので、Grade11で規模の大きい学校に転校しました。前の学校は小さくてアットホームな感じだったのに対し、今の学校は規模が大きく超ド派手で、転校した当初は校内の雰囲気やクラスメートのマインド(前の学校は駐在員の子供よりも現地のクレイジーリッチの子供が多かった)などが全く違ったり、またIBも始まって本当に大変でした。(正直今も大変なのですが)。
インターに通っていいなって思うことは、色々なバックグラウンドを持つ生徒がいて、当たり前だったことの中に新たな発見があるということです。例えば、今年アメリカから転校してきた友達は今までインチなどアメリカ特有の単位を日常的に使っていたから、物理や数学でメートル感覚がない、それが本当に苦だと嘆いてました。また、レポートやエッセイ、論文の書き方、どうやったら他人と効率よく働くことができるのか(働かない人をどうやって働かせるか)を授業や課題を通してきっちり教えてくれるところは将来にも役立っていいなと思います。授業の目的をインプットとアウトプットをさせる二種類に分けると、インター校はアウトプットの仕方を教える授業が素晴らしいし、日本の学校はインプットをたくさんさせる授業が良いと、両方経験して気付きました。(日本の教育も侮れないと思います。実際にノーベル賞とかイグノーベル賞もたくさん受賞しているし…。良いアウトプットのためには、大量の良質のインプットがベースに必要不可欠なんです。)
みなさんはインター校の生徒にどんなイメージを持っていますか? インター校生っていうとキラキラしているイメージを持つ人が大半だと思うのですが、実はそんなの幻想です。陰キャもオタクもたくさんいます。私もそんなにキラキラしている方じゃないけど、それなりに楽しんでます。インターの高校生は日本の高校生よりも見た目が大人っぽく見えるかもしれないけど、中身はどこか幼いような気もします。海外に住んでいて、親がいなければ基本的に何もできないからかもしれないです。奨学金制度で転校してきた元々マレーシアの現地校に行っていた友達も、具体的にどこがというわけではないけど、なんとなく地元の現地校に通っていた友達よりも幼いと言っていました。テーマパークにいるようなふわふわした雰囲気を多くの生徒から感じる、それが私や彼女が感じる幼っぽさと違和感なのだと思います。現実と隔離された理想の世界のような場所に置かれることで(大袈裟かもしれないけど)そうなってしまったのかもしれないです。
次回はインター校での変わった授業について書きたいと思います。