注目される学問分野  データサイエンス

データサイエンスという新しい学問分野が注目されています。情報通信技術(ICT)の発達により、膨大なデータ(ビッグ・データ)が蓄積しており、このビッグ・データを収集し科学的に解析することで、問題の原因を探り、より正確な予測を行う学問がデータサイエンス。数学・情報科学と情報工学といった学問を基盤とし、経済学や医学、教育学、社会学などさまざまな学問分野と関わっています。日本では2017年に初のデータサイエンス学部が滋賀大学に開設されましたが、まだまだ人材が不足しています。

現在、滋賀大学をはじめ長崎大学、横浜市立大学、武蔵野大学などにデータサイエンス学部があります。2023年度からは一橋大学でも社会科学系のソーシャルデータサイエンス学部が開設されます。また、学部にデータサイエンスの名前はなくても、国の「数理データサイエンス教育強化拠点校」として北海道大学、東京大学、京都大学、大阪大学、九州大学、滋賀大学が指定されています。

一方、各大学でもデータサイエンスに着目する動きが広がっています。たとえば、早稲田大学では、全学部の全学生を対象とした「データサイエンス認定制度」を導入しました。この制度はデータサイエンスに興味がある学生を対象に、履修した科目に応じて、その能力を4つの段階に分けて認定するもので、上級レベルと認定されれば、データサイエンスを専門とする各種職業に就くことも可能だと同大学では説明しています。初年度である2022年に最上級クラス(応用基礎レベルプラス)に国から認定された大学は、北海道大学、東北大学、電気通信大学、九州大学、早稲田大学、久留米工業大学です。

3つのポイント

  1. データサイエンスにより、優れた予測モデルを組み立てられる
  2. データサイエンスの推進で、一番大事なのは「問題意識」と「課題」
  3. 政策立案などに活かすためには、因果関係を明らかにする要因分析力が必要