巻頭vol.40 2025年12月号

11月末の土曜日、授業をお休みして歯のインプラント手術をしました。手術といっても日帰りの歯の治療です。しばらく痛みを我慢すればいいくらいに考えていました。

 幸い、痛みはさほどなく、「静脈内鎮静法」なる麻酔で知らない間に手術は終わり、自分の血液から作った血液製剤と人骨を使った再生医療技術で組織の再生・回復も順調に進んでいるようです。

 ですが、顔の右半分の目の下と鼻の横と頬が内出血で黒ずんでしまいました。これもちょっとずつ回復していますが、KOされたボクサーのようです。あるいは足がもつれて顔面から落ちたおっさんです。普段は家の中で時間を過ごすので問題はないのですが、こういったときに限って人前に出る用事ができたりします。

 12月4日は、矢野顕子の「さとがえるコンサート」に行きました。車で10分ほどの市民ホールです。矢野顕子の生演奏を千人規模のホールで聴けるなんて贅沢すぎます。しかも、ドラムはティンパンアレーの林立夫。ベースはサディスティック・ミカ・バンドの小原礼。ギターの佐橋佳幸のことは知らなかたのだけど、有名なセッションギタリストで奥さんは松たか子だそうです。1970年代に十代を過ごした人間にとっては夢のような時間でした。特に、中学3年生のときにドラムを始めた自分にとって、林立夫は憧れのドラマーで、レコードを何度も何度も繰り返して再生して技術やクセを真似したときのことが昨日のことのように蘇ってきました。林立夫と小原礼は同じ中学校の仲間で、それが74歳になっても「矢野顕子バンド」としてリズムセクションを支えているといった話も感動的でした。

 ただ、その演奏を少年の心で見ているのは「足がもつれて顔面から落ちたおっさん」です。周囲の人を怖がらせてはいけないので、あざの部分にファンデーションを塗って隠そうとしたのですが、逆に、顔の右半分だけが青白く、かつどす黒くなり、「屍人のカンカン踊り」のようになってしまいました。たぶん来週末にあざは薄れると思います。しかし、再来週に、再び顔の左側のインプラント手術の予定が入っています。

所長 大谷雅憲

 先日ホームページを更新する際に何気なく「ACT教育ラボ」をインターネットで検索したところ、怪しげなサイトにヒットしました。「ACT」も「教育ラボ」も半分に切り分けると、それぞれを名称として使用している組織・団体は当然ながらあるのですが、「ACT教育ラボ」となると、かなり対象が絞られます。見出しが「ACT教育ラボの授業料は高い?」となっています。オンラインの語学教師を紹介するA T某(省略:名前を挙げるのも厭わしい)というサイトで、この記事はどうやら私たちのことを指していると考えて間違いなさそうです。さらに先を読むと、「ACT教育ラボの優点・欠点の総括」。優点って…。内容を確認したところ、どうやらAIに私たちのホームページを読ませてまとめたもの。しかも言葉づかいからもわかるように、あまりハイスペックなAIではなく、事実誤認が盛りだくさん。内容の雑さにも呆れましたが、何よりも私たちのホームページから記事を無断借用するという著作権侵害が公然と行われていることに怒りが湧きます。皆さん、騙されないでくださいね。

代表 佐々木真美