KLクナンガン 母のぼやき 第8回

地球の暮らし方B面「王室アルバム」

アムステルダムではスーパーマーケットの入口で、オランダ王室に関するフリーペーパーを手に入れることができます。この雑誌「ORANJE BOVEN」[Orange (=Netherlands) on topという意味らしい]の最新号は、オランダ王室の活動紹介や、次期女王アマリア王女の特集記事、イギリスやルクセンブル、ノルウェー、デンマーク王室などのゴシップ記事が盛りだくさんでした。もちろん全編オランダ語なのでグーグル翻訳に頼りながらパラパラとページをめくっていくと……。

なんと! 見覚えのあるお顔と衣装! “もの言うアゴン(=国王)”として知られているマレーシア第17代アゴンのイブラヒム国王と王妃様だ! 私のような異国のおばさんの気掛かりなんてハナクソ以下の余計なお世話ですけど、前アゴンのアブドラ国王(人気あり)とのキャラクターの違いや、経済的繁栄はピカイチだけどどこか歴史的な気まずさを感じるジョホール州のスルタンであること、さらにはご四男が若くして亡くなられているだけにご長男のやんちゃぶり活躍ぶりについてはおおらかなお気持ちで見守って居られるのではないかと、現17代アゴンご夫妻が気にかかってはおりました。

記事によれば、現17代アゴン・イブラヒム国王夫妻のご長女アミナさんの結婚相手は貴族でもなんでもない普通のオランダ人男性とのこと。ご成婚は2017年で、お相手はアムステルダムから車で30分のリッセという街出身のデニスさん、彼はサッカーの元プロ選手で出会いはクアラルンプール、イスラム教徒であるアミナさんとの結婚までにはイスラム教への改宗改名、マレーシア文化および王族の礼儀作法の学びに二年間を要し、さらに様々な契約を乗り越えやっと結婚にこぎつけ、今では二人のお子様とマレーシアで暮らしているとのこと。義父がマレーシアのアゴンとなったことで今後のデニス・アマナ夫妻にはもっと注目が集まるだろうみたいなことが書いてありました

それにしても、まさかオランダのフリーペーパーでマレーシアのアゴンの記事を読むなんて感慨深い……。それにたまには紙媒体もいいじゃないですか。自発的にはググりもしなけりゃかすりもしなかったはずのこの情報を獲得できたんだから、ありがたいありがたい。しかし何度見てもデニス・アマナご夫妻は絵に描いたような美男美女ですよ……。

ORANGE BOVEN ! =オランダが一番だぜ!(筆者による激しい意訳)という意味でスポーツの応援などでもよく使うらしいのですが、マレーシアでは

 MALAYSIA BOLEH! =  マレーシアに不可能はない !(筆者による激しい意訳)をよく目にしていました。どちらもなんだか国の歴史と背景やその国の人の心意気を感じちゃいます。日本は大和心(ヤマトゴコロ)と大和魂(ヤマトダマシイ)かな? 次号予告ページにはなんと日本の天皇御一家のお写真が! 次号がますます楽しみだ!

KAYAの母:2020年より5年間暮らしたマレーシアを離れて現在オランダ・アムステルダムに滞在。ときに鋭く、ときにゆる〜く話題に切り込みつつ、相変わらず、ぼやいていきます。