KLクナンガン* by KAYA 第7回

*KL memories (KL追想)の意

地球の暮らし方A面「‘秋入学生は初の長期休暇をどう過ごしたか’の巻」

始まる前はあんなに長いと思っていた春休みですが振り返ると一瞬で、思ったより何もできなかった気がする。もっと予定を早く立てとけばよかった…ということで、今回は9月入学生の初めての春休みについてのレポートです。

 長期休みになると帰省する人が増えますよね。寮の友達もアメリカに帰ってしまいました。寂しい。試験期間中はずっと一緒に勉強していたので、その後一人になるといつも以上に寂しいです。そして一人に慣れ始めた頃に帰ってくるので、今度はまた常に一緒にいることに慣れないといけない。これも寮の弊害なのか、それとも私のただのわがままなのか…。

 私的に春休みでそれなりに頑張った事と言えばバイトとスキーかなと思います。春休み始めから、試験期間中休んでいたバイトに復活。しかし、これまで怖いお局がいるからなるべく避けていた洗い場担当になってしまい、もう終わりだと思って毎日バイト先に通ってました(通うと言っても寮にあるので通勤時間10秒ですが)。最初は仕事遅いねとか小言を言われてばかりだったのですが、突然、「何かスポーツしたりする?」と聞いてきたのでスキー好きですよ(ダジャレじゃないです)と答えると、いきなり饒舌に自分もスキーが好きでここのゲレンデがいいとか、自分がどうしてスキーを始めたかを語りはじめ、その日から私に対してちょっと優しくなりました。私がバイトに行くと、「あー!来た来た!」と嬉しそうに言ってくれるし、結構な頻度でお菓子くれるし、同僚がバイト終わりに「大丈夫だった?」とか聞いてくることもなくなり、我ながら結構食い込んでいると思います。私が働く前に彼女との関係でやめた人が何人もいることを考慮すると、ますますよくやっていると自画自賛できる。身をもって「芸は身を助ける」と体験しました。やっぱり色んなことに挑戦して、たくさん趣味とか興味を持っていた方が人として厚みがある人になれるし、幅広い人々の輪の中に入り込めると学びました。お局も悪人ではないみたいです。

 こうして私の身を助けたスキーですが、マレーシアにいる間はもちろんできなかったし、冬休みも日本に帰ってなかったので実は4年ぶり。小中学校時代は結構うまい方で、スキー合宿でも学校一上手な自信があったのですが、この休みにガチ勢おじさん達のスキークラブに所属してから自信喪失です。滑るところを撮ってもらって見返すと自分の未熟な滑りに愕然としました。でも大学の授業が始まってからも4月の春スキーで検定を受けます!

春休み中盤は中弛みしちゃってスマホに張り付く日もありました。YouTubeを見ていたらMr Worldという男性版ミスユニバースの動画がたまたま流れてきたのですが、バングラディッシュ代表の衣装が衝撃的でした。他国代表たちはほぼ全員民族衣装を着ていたのですが、この人だけ工事現場にいるような格好。

[インド代表:普通はこっち→]

マレーシアでも工事現場で働いている人たちはバングラディッシュ出身の人たちが多かったように、出稼ぎの工事現場労働者はバングラディッシュの象徴ですね。ちなみに出稼ぎ労働者から国内に仕送り(remittance)されるお金はバングラディッシュの外貨収入の25%以上を占めているそうで、この衣装は外国に出稼ぎに行っているremittance warriors(送金戦士)への敬意を表すデザインらしいです。この衣装を作ったデザイナーに拍手を送りたいです。

ライター:KAYA(マレーシア名物ココナツミルクのジャムと同じ名前です):2005年12月生まれ。クアラルンプール(KL)のインターナショナルスクールを去年卒業し、日本での大学生活がスタートしました。マレーシア滞在中は『KLスカラン(KL Now)』のタイトルで全13回のコラムを連載。今後はKL・東京はもとより、世界中のいろんな街をぶらついては立ち止まり、あれこれ呟いていく予定です。