KLクナンガン 母のぼやき 第4回
地球の暮らし方B面「オランダの食はいかに?」
オランダに移る前、KLである料理教室に参加した時のお話です。スペイン料理のレシピを教わりながらオランダの話になり、私が「寒いしオランダ料理なんて美味しくない、KLのが断然いい」と言うと、その料理店オーナーのマダムはオランダについてこう教えてくれました。「確かにスペインほど料理もバリエーションがなく美味しくないわ、ジャガイモばっかり。でもジャガイモはたくさん種類があって美味しいのよ。そして彼らは率直にモノを言うからショックを受けないようにね、オランダ人は心底悪い人たちではないわ」と。
私がオランダに詳しいねと返すと彼女は「オランダ人と結婚してるからね、オランダで暮らしたこともあるし息子もオランダで暮らしてるし」とのこと。世間も狭いけど世界も狭いな。。。
実際、ここの食事はどうなのか?
結論、とても美味しい!
夏トマト、にんじん、パプリカなどの野菜、きのこ、チーズ、お肉や種類豊富なソーセージやハム!ベリー系の果物、パンケーキやお菓子、クロワッサン、そしてジャガイモ!
総じて言えるのは、味付けがシンプルでわかりやすいのに濃厚な美味しさなのです。塩コショウとオイル、バジルとビネガーとマスタード。マレーシア(東南アジア)のスパイスたっぷりの複雑な味の組み合わせに慣れていたせいか私には余計に新鮮。
以前娘が言っていました。「結局は目指すものがちがうから満足度も違うんじゃないの?」と。マレーシアで日本の味を再現しようとしていなかった私には、それほど食材の買い物に関する不満がありませんでした。それどころか日本にはない味を堪能したい貪欲なおばさんになっていました。オランダでも貪欲おばさんに食事の不満はほとんどありません。それどころか、オランダ料理、トルコ料理、インドネシア料理、ドイツ料理、ベルギー料理のレストランもたくさんあって、スーパーや市場もたくさんあって大満足するはずなのに目移りしすぎて満足できないというジレンマに陥るのです。
ある日、このトラックが目の前に止まっていたので思わずシャッターをきりました。マレーシアのサラワク州があるカリマンタン島からのコショウやスパイスがこの大きなトラックの中に積み込まれているのかと思うとワクワクしちゃいますね。 あれ? でもこの貪欲さが東インド会社を作ったり戦いまで引き起こしたのかも。。。オランダの路上でマラッカ王国への想いをはせた強欲おばさんなのでした。
しかしこの会社についてググってみたら名前はサラワク州に由来していたものの、全くスパイスとは関係ない。コンサルや物流などを手がける大きなグループで、「スパイス的働きであなたの会社をお手伝いします!」ということらしく、実は妄想が過ぎた強欲おばさんなのでした。