巻頭 vol.26 2024年10月号

神戸・大阪方面に2泊3日の小旅行をしました。目的は、民俗学博物館の特別展「吟遊詩人の世界」と、大学時代の友人の写真展「ねこねむり」の鑑賞。新幹線を使えば日帰り旅行も可能な距離ですが、宿泊先もルートも決めずに気分次第で行き先を決めたため、広島〜倉敷〜瀬戸大橋〜高松(屋島)〜鳴門〜鳴門大橋〜淡路島(1泊)〜明石海峡大橋〜神戸(1泊)〜民俗学博物館(大阪・吹田)〜宝塚〜広島という愉快なドライブになりました。

大学時代の友人といっても、正確には2歳年上の先輩なのですが、出会ったのは音楽好きが集まる京都の喫茶店で、私が店員、友人は常連客という関係でした。

私はここで、いろんなジャンルの音楽を素晴らしい音響で聴く機会をもらいました。また、おいしいコーヒーの淹れかたと基本的な包丁の使いかたを学びました。

友人は、障害をもった生徒を対象とした職業訓練校の教員でしたが、知らないうちにカメラマンになっていました。約15年ぶりの再会でした。

帰りに、生まれ育った宝塚に寄りました。実家のあった場所には新しい家が建ち、周囲の市営住宅だった場所にはかわいい建売住宅が並んでいました。通っていた高校からの大阪平野のパノラマをゆっくりと眺める時間もなく、帰路についたのでした。

所長 大谷雅憲

「今日も暑いですね」があいさつになっていた夏が9月の終わりでようやく去ったらしく、ここ数日はずいぶん涼しくなりました。わが家から見る対岸の宮島でも、山の緑にところどころ赤みがさしています。去年の今頃はどんなだったけなとスマホのアルバムを見てみたところ、屋外で撮った写真が極端に少ない?? …すっかり忘れていましたが、去年は9月に手首を骨折して、10月初めはリハビリにはげんでいる時期でした。10月末にマレーシアに出かける際、からだに入っているプレートが空港の金属探知機に反応するのではと心配したことを思い出します。あれから一年が経ちました。

去年10月に始まったパレスチナでの紛争は収まるどころか周辺諸国へと拡大する様相をみせており、ウクライナでの戦争は勃発から二年半経っても終わる気配がありません。戦争のない世界を誰もが願っているはずと考えるのは、私の思い込みなのかと感じてしまいます。確かに「やられたらやり返す」という発想は世界中にあるのでしょう。でも、それを実行に移すとエンドレスな復讐のやり合いになってしまうと皆がわかっているから、日常レベルでは法律や慣習でしばっているのに、国家レベルになるとまかり通ってしまう。平和を保つことは戦争をするよりはるかに努力が必要なのだと思います。

代表 佐々木真美