IBDPから英語学位コースへ その1
合格体験記 in 2024(2024年秋入学)
早稲田大学政治経済学部EDESSA←International School of Kuala Lumpur
コロナ禍の真っ最中にインター校生活が始まったSFさん。2024年6月にISKLを卒業し、秋から大学生活が始まります。IB生・受験生としての実感をともなった情報が盛りだくさんなので、今回の「その1」ではグローバル入試とTOEFLについてを中心に、「その2」ではIBDPの勉強法と進路決定の決め手について、それぞれ焦点を当てます
はじめに
私がマレーシアに来たのは2020年の9月、中学3年生の2学期(9年生)です。その頃自分はもう日本で日本語を使って生きていくんだと何の疑いもなく学生生活を満喫していました。なので、海外経験はゼロ、英語を使う学校にも通ったことがありませんでした。ACTには坂本先生の英語の授業、大谷先生の小論文準備講座(宿題全然提出しませんでした、すみません。でも授業楽しかったです)と佐々木先生の志望理由書の添削でお世話になりました。おかげでいろいろ合格をもらえ、大学受験において有終の美を飾れたと思います。
学校は初めの2年間IGBISに、その後2年間ISKLに通いました。IB diplomaプログラム(IBDP)についても含めて9月入学枠(グローバル入試)の受験がどのような感じだったのか書き留めていこうと思います。日本の大学の英語学位プログラムが気になっている方に参考になれば幸いです。
受験時の流れ
私が本格的に受験を見据え始めたのは11年生の終わりの夏休みにACTのグローバル入試対策講座を受けてからです。講座の中で紹介された大学学部の中から志望校を決め、そこから「受験もうすぐだな」と感じ始めました。そして、12年生になってからTOEFLを焦って受けまくり、10月頃に学校からIBDPの予想スコアをもらって意気消沈、その後3月初めまで志望理由書を書き続けたという感じです。これから受験する人に(自戒を込めて)伝えたいのはこの4点です。
- TOEFLは12年生前に目標スコアを取るべき
- 志望理由書は12年生になる前に6、7割完成させとくべき
- IBは11年生時にいっぱい頑張って先生にアピール(12年生で頑張っても意味ない)
- 計画的に進めた方がいい
志望校選び
前述通り、11年生終わりの夏休みに受けたグローバル入試対策講座で紹介されていた中から絞りました。一から解説してもらい、周りに日本の大学を受験してる人がいなくて何にも分からなかったのでとても参考になりました。しかしこの講座でもお題に合わせてエッセイを書くという志望理由書に必要な宿題をちゃんとやらなかったため、後で痛い目に遭うことになります...。
9月入学の英語学位プログラムを選んだ理由は2つあります。一つめは親が大学でも英語で勉強することを勧めたから、二つめは受験資格があるなら一年待つより9月に入学したほうがいいと思ったからです。
マレーシアに住んでいる以上、アジアについて考える機会が多かった&大谷先生の小論文講座でもそのような内容が多かったので、漠然と「アジア・政治・経済・社会・文化」に興味がありました。なので、学部選びではこれらの内容が学べそうな学部に絞り込んだという感じです。ビビりで落ちるのが怖かったので5学部以上は余裕で受けました。各学部それぞれに志望理由書を書かないといけなくて大変でしたが、たくさん受けとくとどれかは当たるだろう(乱れ打ちです)と精神的余裕が持てました。
受験中苦労したこと・これから受験する人へのアドバイス
英語学位プログラムは書類選考のみで試験はありません。その代わりにTOEFLやIBなど個人で試験を受けます。一発勝負ではないので計画的に準備できます。計画を立ててください。「締切まであと何ヶ月もある。まだ大丈夫。」というマインドでいると気づいた時には締切一週間前になります。私もこういうマインドでいて、締切一ヶ月前に志望理由書を書き始め、押し付けるように佐々木先生に添削をお願いしてしまいました。遊びたいのも分かるし自分がやらなかったので説得力はないですが、志望理由書は絶対に夏休みに6、7割は終わらせといた方がいいです!(志望理由書についてはまた後で書きます。)
TOEFLも同様です。TOEFLのスコアは受けてから2年間有効なので、早め早めに受けて大丈夫です。私が最初に受けたのは11年生の12月頃で初めてのスコアは90にも届きませんでした。それからACTマレーシアの坂本先生のTOEFL対策の授業を毎週受けました。授業は実践・添削の繰り返しで、その中でエッセイの書き方やリーディングでの論理的な答えの導き出し方を教えてもらいました。正直11年生の間は低い点数を取るのが怖い&長い試験時間が面倒臭くてテストを受けること自体サボってました。なので、12年生に進級したばかりの時は、IBのIAやEEで忙しいのに結構な頻度で週末TOEFLを受けるという超非効率な状況に陥ってしまいました(スタッフの人に覚えられて挨拶されるほど頻繁に受けました)。最後は坂本先生の授業の成果と慣れで個人的に納得できるスコアをゲットできましたが、TOEFLのスコアメイキングは12年生になる前に終わらせた方が絶対良いです(特にIBDPをやっている人は)。じゃないと私みたいにIA、EE、TOEFL受験、志望理由書を一緒に進行しないといけなくなります。
ちなみにTOEFLを勉強して思ったことが一つあって、リーディングを何周もしてると段々「答えはこれだ」という勘が研ぎ澄まされていく気がします。無意識に論理的に答えを導き出しているのか分かりませんが、何周もしていると二択で迷ってもなんとなく正解の方を選べるようになりました。(テスト前夜にリーディングを三周くらいしたら30点満点中29点でした。一夜漬けでもある程度効果あると思います)。
勉強・時間管理以外で苦労したことはやはり情報が少ないことだと思います。情報があったとしても、結構テキトウだったり、ここ数年はコロナなどでいつも違う部分があったりしたのでネットの情報はあまり鵜呑みにしないほうがいいです。孤独かもしれないですが自分を信じて頑張るのみです。
志望理由書
志望理由書に戻ってきました。TOEFL、IBDPがひと段落してからはここを一番頑張りました。私の場合、IBDPとTOEFLのスコアは最低基準はクリアしていた(多分)ものの、飛び抜けて高いと言えるわけではなかったので、志望理由書をしっかり書けたのが合格の一番の要因だったと思います。ただ、前にも書いたように、志望理由書を後回しにしていたのでいつも焦って書き上げていました。
志望理由書は学部・プログラムに合わせて一つずつ書かないといけません。何を勉強したいのか、将来何を達成したいのか、そのためにいかにその大学に入りたいのか、自分の熱意とプランを具体的に書くために大学のシラバスなどを見ました。大事なのは「この教授のゼミに入りたい」「この授業を受けたい」*註とかその大学への愛をアピールすることだと思います。何ができるかよりも何をしたいか、なぜそれをしたいのか理由を論理的に熱意を持って書くことを意識しました。(*佐々木註:この部分については注意が必要。その先生の著書を読んだりしていればいいが、付け焼き刃で書くと、かえって失礼になるので気をつけたい。)
それぞれの学部別に書くので時間はかかりましたが、どの大学に対してもモチベーションが上がったし、今振り返ると私の言いたいことを曲げずによりクリアにより的確な表現に導くという佐々木先生の添削方針のおかげで書いていて楽しかったです。
あとたくさん書いて感じたのは、大学によって求めている人材が結構違うということです。大学のサイトや資料を読み込んで自分が適した人材であることをアピールするのも志望理由書を書く上で大切な点だと思います。
グローバル入試について
志望理由書を書くスタイルの大学受験は、個人戦で自分の真の精神力が試される気がしました。本音を言うと、自分ってこんなにだらしなくて努力できない人間なのかと改めて自覚させられました(志望理由書はいつもギリギリだったしIBもずっとテキトーで全く頑張れなかったです...)。でも逆に、なんでもテキトーだからこそ色んなところに目を向けられてるなとか、精神的に煮詰まりすぎないのかなとか、自分の長所にも気付けました。良い意味でも悪い意味でも自分の本性を認識できるのがこのスタイルの大学受験なんだと思います。