KLクナンガン by KAYA 第1回 (+13)

地球の暮らし方A面「Pudu (プドゥ:富都)その1"ICC Pudu"」

1つのテーマに母娘それぞれの感性で迫る連載コラボレーションコラム

*クナンガン(kenangan): マレー語で「思い出」「追想」の意

PuduはKLの中心に位置するにぎやかな街です。イメージは六本木とか渋谷の隣にある、謎にそこだけ地元色が強い場所って感じでしょうか? 容赦ない日差しがギラギラ照りつける中、だだっ広い市場や死を覚悟するほど暑いフードコート、めちゃくちゃローカルな飲食店があったりするのに、その景色の間からマレーシア一高いビルや豪華なホテルやショッピングモールが見える中々不思議な地域。Puduは中華系マレーシア人が中心の街で、中華系の人やものばかりです。正直チャイナタウンに行くより本物の中華が味わえます。おそらくPuduで一番人が集まる場所、それはICC PuduとPudu Wet Marketです。

Wet Market(生鮮市場)は次回ちょっと触れることにして、今回は主にICC Puduについて。ここは中華系の食べ物(たまにマレー料理もある)を提供する屋台がたくさん入っているフードコートです。中華の食べ物は強い火力が必要で多くの屋台でコンロがフル稼働なのに、建物が一面壁に覆われている(外の涼しい空気を取り入れる穴が一切ない、なぜ?)ため、死ぬほど暑い。しかも人口密度も高いので湿度激高...。多分体感温度は40度超えです。なのに、辛くて熱い食べ物、飲み物を食べて飲んで、もはやサウナ状態。マレーシアの人って暑くてもあまり汗かかないなと思っていましたが、さすがにそこでは汗だくでちょっと安心しました。

汗だくになるほど暑い、でもその暑さに耐えてでもここの食べ物は美味しい...。特に感動したのはMadam Engの屋台のCurry Mee(咖喱面:カリーミー)。Curry Meeとはココナッツカレー風味のスープに麺が入っているマレーシアでよく食べられる中華系の食べ物です。店によっては辛すぎたり、ココナッツ風味が強すぎたりと味が結構異なるのですが、ここのCurry Meeは今まで食べた中で一番味が良かったです。しかも具も多いのに安いし。何回食べたか分からないくらい食べました。本当に好き。でも注文がちょっと怖い。おばさん二人で店を回してるみたいなのですが、早口の中国語オンリーでスープや麺の種類を聞いてきます。麺の種類は色々なところで聞かれるから分かるようになりましたが、スープは本当に分からない。

一応中国語も習ってたけど店によって違うスープの種類なんて非ネイティブスピーカーに分かるわけがないよ...。しかも猛暑の中、30分以上待っても注文したものが来ないので、おばさんに「まだ来てない。忘れてない?」と聞きに行くと半ギレで「今作っている!」と返ってきます。そんなことを乗り越えてでも美味しいので、もし勇気があったら試してみてください! 本当に絶品です。

ちなみにですが、ICC Puduの入り口付近にある点心の店にたまにTシャツ腹出しおじさんがいます。暑すぎてお腹だけTシャツから出しているおじさん。リラックスしすぎてもはや面白いので、見られたらラッキー。暑くて美味しくて面白いPudu ICC、KLに戻ったら必ず立ち寄りたい場所の一つです。

 

ライター:KAYA(マレーシア名物ココナツミルクのジャムと同じ名前です):2005年12月生まれ。クアラルンプールのインターナショナルスクールを2024年に卒業し、日本での大学生活がスタートします。KLや東京ほか、世界中のいろんな街をぶらついて日々の気づきを発信していきます。