2023年度グローバル入試を振り返って
海外生にとっては日本の大学への出願方法の一つとなりつつある「グローバル入試」。2024年秋入学に向けての結果がおおかた出ました。今年度の傾向を振り返り、これからの対策を考えてみたいと思います
日本国内の大学で近年増えているグローバル入試の受験結果が出はじめました(4月以降に締切り・発表のあるプログラムもまだいくつかあります)。この入試では主に、英語で学位が取得できる秋入学の、いわゆる英語学位コースを受験することになります。グローバル入試の主な選考材料は、以下の通り。
・成績(ハイスクールの成績、Aレベル・IBDPのスコアなど )
・英語外部試験のスコア(TOEFL、IELTS等)
・英文志望理由書/課題エッセイ
英語学位コースでは日本語能力を問わずに卒業単位までを得られることから、当然高い英語力が求められます。ただ、これまで早稲田・慶応であればTOEFLは最低でも101点(120満点中)は欲しいところでしたが、昨年夏にTOEFLが内容を変更して以降は高スコアが出にくくなっているようで、そのことを反映してか、今年度は「何が何でも100点+αが必要」ではなかった印象があります。とはいえ、グローバル入試を考えるのであれば、まずは100点を目標に学習を進めていくべきと考えます。
統一試験の成績として、IBDPが日本のグローバル入試で多く利用されるようになった一方で、それと同等またはそれ以上に難度の高いAレベルは今ひとつ認知度が低い状態が続いているように感じられます。同様に、HSC、CIMPほか各国基準の修了証は、それだけで大学受験資格として認める大学とそれに加えてSATやACTのスコアを求める大学があるため、IBDP以外の生徒は受験資格について事前のリサーチを早く始めておくことが大切です。
志望理由書については、今回合格体験記を寄せてくれたMさんの文章からもわかるように、学校の成績やTOEFL等のスコアがそれなりによくても、これが不十分では合格は難しいと思います(もちろん受験者のポテンシャルを表現しきった志望理由書であっても、大学が求める学生像との違いから不合格ということはあります)。おそらく受験生のそれまでの人生でいちばん真剣に取り組むことになる文章作りですが、一方でハイスクールでの最終成績に直結する課題提出や模擬試験等も同時並行で次々と課されるため、秋以降は想像以上の忙しさになります。オーバーフローで機能不全にならないよう、志望理由書は夏休み中にある程度仕上げておくのも一つの方法です。