KL スカラン by KAYA 第4回
複眼で見るマレーシアA面「マレーシアのジャンク?な中国茶」
1つのトピックに母娘それぞれの感性で迫るコラボレーションコラム
*スカラン(sekarang) :マレー語で「今」の意
私がまだ若かった2018年当時の日本ではタピオカミルクティーブームだったけど、今でも貢茶(Gong Cha)って人気なの? マレーシアではタピオカ人気は2023年も健在で、貢茶もたくさんあります。でも、実はタピオカ以外にも甘くて美味しい罪悪感満載の中国茶を売っているドリンクショップがマレーシアにはたくさんあるんです。ざっくり言うと中国茶版スタバです。ただ砂糖やミルクが入ってるだけじゃなくて、フラッペとかマキアート、クリーム付きのものがあるスターバックスのコーヒーのように、カスタマイズ注文できる烏龍茶とか鉄観音茶などの甘くてジャンキーな中国茶がたくさん売られてるんです! 砂糖や氷の量も調節できるので、甘かったり冷たかったりするものが苦手な人でも飲みやすい。正直昔の私はタピオカ(含むスイーツっぽい甘い飲み物)がそんなに好きじゃなかったのですが、マレーシアに来てからは色々な甘い中国茶を飲み歩きしています。
そんな感じで沼に落ちて色々試した中での私のおすすめは圧倒的『覇王茶姫(Bawangchaji)』!! この店のお茶は他の店のと違って、ミルクが濃厚で味に厚みがあるのに、甘い飲み物を飲んだ時のように後から水を飲みたくならず、すっきりしているのが一味も二味も他の店と違います。一番人気はPeach Oolongらしいけど、私は絶対Tie Guan Yin Milk Tea(鉄観音奶茶)一択!!店内も茶葉のディスプレイや琴が置いてあったり、雰囲気も落ち着いていて居心地がいいです。本当に美味しいので、もしマレーシア(シンガポールとかタイにもたくさんあるみたいです)を訪れたらぜひ試してみて下さい!!
パッケージもおしゃれ。真ん中のロゴは覇王別姫をイメージしているのですかね? ちなみに今はパッケージが変更されていて、左から二番目の紙のコップの模様がDior柄に酷似しているとかしてないとか。気になったら調べてみてくださいね。
何故こんなに強くすすめるのかというと、周りに覇王茶姫を知っている人が誰もいないから...。
マレーシアではかなり店舗数もあってそこら中にお店があるのに、こんなに美味しいのに、値段もタピオカと変わらないのに、どの友達に聞いても名前すら知らないという答えしか返ってきません。どうしてなんですかね? 普段どこをどう見て街を歩いていても私の目には覇王茶姫しか入ってきません。学校で覇王茶姫のドリンクを飲んでいる人を見つけた時は叫び出しそうなくらい嬉しくて、一言も話したことないのについ話かけてしまったほどです。
調べてみると、今、この手のちょっとおしゃれな店舗で甘い中国茶を販売する中国メーカーがたくさん海外進出をしているらしい。中国国内では安いドリンクブランドとして認識されているメーカーも多々あったり国内のマーケット自体が飽和状態だったりするため(中国人の友達によると覇王茶姫も中国西南部以外の地域ではそこまで知名度がない)、国外、特に東南アジアに値段を高めに設定してブランド感を前面に出しながら進出することで利益を得ているみたいです。ちなみに覇王茶姫は2019年にマレーシアに進出したにも関わらず、マレーシアでの売り上げは中国国内での二倍以上にもなっているらしい...。
もし叶うなら、この覇王茶姫ヘビードリンカーとしてこのブランドを日本に進出させる仕事をしたい! 今やSNSのトレンドも中国企業発のファッションやメイク情報が多く、日本での中国への全体的な関心度が上がっているなと感じます。実際SNSを見ていると、若い人の間では中国に対してmade in chinaというイメージよりも何か斬新で最先端なものがあるクールな国というイメージが先行している人もいるような気がします。(いろいろな一面があって、どちらも正しいのかもしれないですが)こういう流れを見ていると、覇王茶姫も今の時代に日本進出をしたらかなり勝算があると思います。次なる貢茶を目指して、頑張って日本進出させたいですね...。
母のぼやき by KAYAの母 おまけ編
娘が愛するチャイニーズミルクティーの店「覇王茶姫」の看板を見ると同時に二つの物事が頭に浮かびます。ひとつ目、「チャゲ&飛鳥」。理由は英語表記の看板がCHAGEEなので、えっ? チャゲ? とローマ字読みしてしまう昭和生まれの私。覇王茶姫の中国語発音は『ばわんちゃじ』だそうだ。ふたつ目、映画『さらば我が愛/覇王別姫』。あれは本当に素晴らしい映画だった。日本語ではこの映画のタイトル覇王別姫の読み方は『はおうべっき』、ゴリゴリの音読みだった。