あじなんだより Ajinan Report vol.8

ACT教育ラボの所在地は広島県西部にある廿日市市阿品(「はつかいちし・あじな」と読みます)。「あじな」の住民になった自らを「あじなん」と名づけ、暮らしの中で気づいたこと・感じたことを報告していきます。第八回は日本的ハイブリッドと宇品地区について。春はすぐそこです(と思いたい)

うちの近所に限らず、巻頭で触れた神田明神・湯島神社あたりもそうですが、日本では住宅が立ち並んでいる地域をぶらぶら歩いているとやたらと神社仏閣に行き当たる気がします。散策の途中、誰の許可をもらうでもなく、境内の木々に囲まれてひと息つけるのはいいものです。先日はわが廿日市市内の上平良(かみへら)地区にある速谷(はやたに)神社に立ち寄ってみました。

名前からして、走ることに関連したご利益があるにちがいない、マラソン選手とかの走る系アスリートが信心しているのだろうと思ったら、さにあらず。境内で神職が祝詞を唱えながら御幣(ごへい)を振っている相手は自動車。交通安全祈願を執り行なっているところでした。

ハイテクの集積である自動車とプリミティブなお祓(はら)いが難なく溶け合っている様子はまさに日本的ハイブリッドですね。

この神社の境内裏手に一基だけで鎮座しているこま犬像がありました。この「笑うこま犬」は一対となる相方が火事で消失してしまったそうで、にもかかわらず、けなげに笑っている(ように見える)姿にファンも多いのこと。確かに、ガハハと大口を開けているみたいで、かわいいかも。

ACT教育ラボの所在地は廿日市市阿品(あじな)と言いますが、広島市内には「宇品(うじな)」という地名があります。どちらも海沿いの場所なので、「-しな/じな」つながりで何か共通点があるのかなと語源を調べてみたものの、それらしい記述は見当たらず。単なる偶然というのが、いまのところ定説のようです。

阿品との関連がなかったのは残念ですが、宇品地区は私の通った高校に近く、じつは個人的に懐かしい土地です。市街地にこんなに近いのに、こんなにきれいで静かな海岸があるのかと思うような穴場があります(課外活動でなくデートで来たかったわ泣)。今年開催されるG7サミットでこの地区唯一のリゾートホテルが使われるそうなので、ニュースでここの灯台も映るかもしれません。よかったら手を止めて見てみてください。