グローバル入試の注意点「オンライン出願は時間に余裕をもって」
この数年来、日本国内の大学で、日本語を使わず英語のみで学位が取得できるEnglish-based、English-taught等と冠するコース(以下、英語学位コース)が増えてきました。英語学位コースを設置している学部・学科では、いわゆる「グローバル入試」と言われる、書類で選考を行う形式が採用されています。書類審査のみで完結する*1、この入試方式は日本に足を運ぶことなく受験できるという点で、海外で学ぶインターナショナルスクール生とは相性のいい入試制度といえます。このグローバル入試の出願に向けての留意点を確認しておきましょう。
出願に際しては、まず各大学が設置している入試用のサイトに登録を行い、受験者は自分の情報を入力することから始めます。登録作業を始める前に、これまでの学歴(学校名や入学・転出・編入・卒業の日付)などを書き出しておきましょう。
グローバル入試で提出を求められる書類・データは一般的に以下のとおりです(2023年度入試:大学・学部によって他に必要となる書類もあるので必ず各校の募集要項を確認してください)。
多くの大学・学部はオンラインでの書類・データのアップロードを求め、合格後に原本の郵送という流れになりますが、上智大学のように出願期間中にアップロードと書類の郵送を同時に課す学校もあるので注意が必要です。
各受験生が準備するもの
・出願申込書 オンライン上で記入(顔写真も用意しておくこと)。
・志望理由書 大学・学部により制限語数や設題が異なるので早めの対策を
・共通テスト成績*2 SAT, ACT等のテスト本部に大学宛直送を依頼(成績がすでに出ている場合。そうでなければpredicted gradesを提出)
・英語能力テストのスコア TOEFL、IELTS等のテスト本部に大学宛直送を依頼。直送を不要とする大学もある(例:ICU)
・受験費用支払い証明 クレジットカードで支払い後、証明を添付
※とくに注意すべきは英語能力テストのスコア。TOEFLは送付を依頼してから大学に到着するまでに1〜1.5ヶ月かかるため、前もって手配を。
在籍校に依頼するもの
・成績証明書 「10年生以降」「直近3年間」等の指定に注意
・卒業(予定)証明書 次項の予想成績と一緒になっている場合もある
・予想成績証明書*3 IB, A-levelのpredicted gradesの発行を依頼
・推薦状 在籍校の担当教師・校長・カウンセラー等に書いてもらう。大抵2通必要。(不要とする大学もある(例:早稲田大学)
※推薦状は大学によって書式やアップロード先の指定あり。また、冬期休暇等のため依頼する予定の先生と連絡がつかなくなることもあるので、先方に早めに話しておくこと。
出願サイトでは上記の書類をアップロードするほかにも、大学によっては在籍校のウェブページやスクールプロフィールの添付を求めたり、志望理由等をアンケートで再度書かせたり、多くの質問事項を設定していたりするため、出願完了までに時間がかかります。「最終日の締め切り時間にギリギリ間に合った」などと心臓に悪いことにならないよう、必要書類は早めに手配を始め、入手したその都度アップロードしていきましょう。
*1:面接を課す場合もある
*2と*3:どの共通テストをいつ受験するかによって提出する書類が変わるので出願資格と必要書類の確認を。学部によっては在籍校で受ける共通テストのほかにSATの提出を求められる場合もある。