あじなんだよりAjinan Report vol.4
ACT教育ラボの所在地は広島県西部にある廿日市市阿品(「はつかいちし・あじな」と読みます)。「あじな」の住民になった自らを「あじなん」と名づけ、暮らしの中で気づいたことをご報告していきます。第四回は日々利用する電車について。線路脇に電柱の落とす影も長くなり、秋が深まってきた感じです。
車が買えません泣 コロナ禍の影響による半導体不足だとか物流の停滞だとかで、自動車の生産台数が落ちている、そのぶん中古車が恐ろしく値上がっているなどと話には聞いていました。「言うても、一ヶ月もあれば大丈夫でしょう」という考えは甘すぎました。今夏の帰国直後に購入予約をして3ヶ月、先日ディーラーさんから「納車は年明けになりますかねぇ」とショッキングな報告を受け、膝から崩れ落ちたところです。これがマレーシアなら配車サービスGrabがあるから何とかなるわとやり過ごせるのですが、日本でタクシーは庶民の足とは言えません。
しかし! 日本にはとっても利便性の高い公共交通機関というものがあるのでした。わが阿品にも広島電鉄、通称・広電=ひろでんという電車が通っているのです。
広電は、広島に原爆が投下された3日後には営業を再開したという根性の据わった電車です(そのタイミングで、電車に乗って爆心地付近を移動する人々もすごいと思いますが)。
その広電が広島市内から隣接する廿日市市まで敷設しているのが宮島線です。広島市の西端「西広島」から観光名所である宮島の対岸「宮島口」までの路線距離16kmを22駅に停車しながら30分ちょっとで走ります。
駅(正式には鉄道なので「電停」とは言わないそうです)までACT教育ラボから5分ほど歩き、9分間隔でやってくる電車に乗れば、すいすい移動できます。市役所や図書館など出かける頻度の高い場所は路線沿いにあるので、今のところ、このチンチン電車が日常の足となってくれています。
(昔の地図のため、廿日市町となっています↑) この宮島線が今年開業100周年ということで、10月には各種イベントが催されていました。新旧車両を並べた撮影会とか中古部品の販売会とか、残念ながら私は鉄オタではないので、その魅力については全く語れませんが、普段乗る電車の正面にも記念のヘッドマークが掲げられていてお祝い感が漂っています。
記念事業の一つの記事で宮島線の歴史を紹介したものを読みました。太平洋戦時中は鉄不足を補うため、上下線の片方を別の路線へと使用して単線で運行した時期があったとのこと。運行便数が減らされて、当時の利用者は不便だったにちがいありません。鉄にしろ半導体にしろ、私たちの暮らしは世界と確実に連動していると感じる阿品の秋でした。