巻頭vol.41 2026年新年号

お正月はNHKで放送されたアニメ『チ。―地球の運動について―』(I期・25話)を一気見しました。去年の秋頃からヨルシカの音楽をよく聴くようになって、その流れでこの作品にたどり着いたわけですが、小論文や作文の授業で何度も取り上げてきたテーマ、そして個人的に興味を持って調べているテーマとも繋がる内容だったので驚きました。

「地動説」がどのように発見されていくか。キリスト教会の教えに反する異端として弾圧される中で、「思い」をどう次世代に託していくのか。I期はコペルニクスの前までの話です。

 授業と深く関係しているところをまとめてみましょう。

  • コペルニクス的転換=パラダイム転換

現代は天動説から地動説への転換と同じかそれ以上の世界の構造の大転換期のまっただ中にいると言われています。政治や経済構造、社会、人の意識、倫理はどう変わっていくのか。その変化にどう対応していけばいいのかが、大学入試小論文の中心テーマになっています。

  • 人間と自然

人間と自然を対立したものとみなし、前者を重視して後者を支配するという中世キリスト教会の二元論的な構図に異を唱え、自然から学ぼうとするのが地動説を託す人物群として描かれています。このテーマも小論文ではよく出題されるものです。

  • 認識論

私たちは「世界」を客観的に認識することは不可能で、言葉(概念)や習慣、文化などの認識バイアスを通して捉えた「世界」を見ているのではないか。こうした認識論的はテーマが近年多く出題されています。

個人的には、ミシュレの『ジャンヌ・ダルク』『魔女』をたまたま読んでいて、ヨーロッパ中世の異端審問(この場合は魔女裁判)の歴史をの中に浸っていたので、頭の中で二つの世界がシンクロした2026年の始まりでした。

所長 大谷雅憲

新年あけましておめでとうございます。2026年はウマ年。一年を気持ちよく駆け抜けられますように。本年もACT教育ラボをどうぞよろしくお願いします。

さて、私の担当するグローバル入試(英語プログラム・主に秋入学)は年明けとともに出願の締め切りラッシュとなります。昨年来アメリカで学生ビザの発給が厳格化されたことが、どの程度日本の大学入試に影響するのかが気になるところです。ハーバード大やMITへの留学をあきらめたスーパー頭のいい外国人学生が大挙して日本にやってきたら難化は避けられないだろうと予想する一方で、日本の大学が求める学生像はそれとは少し違う印象もあり、急には変わらない気もします。大学もスティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスやマイケル・ザッカーバーグみたいな学生ばかり集めたいわけではないでしょうし(このうち二人は大学中退しているので、アメリカなら可とも言えなさそう)。

安心材料ばかりを集めても仕方ありませんが、考えても正解のない不安は払いのけ、粛々と準備を進めていくに限ります。受験生のみんな、がんばろう!

代表 佐々木真美