小論文と予備校の仲間を支えに

合格体験記 in 2024/25 (2025年春入学)

一橋大学 社会学部←International School of Kuala Lumpur
YYさんは2023年8月からISKL卒業までACT小論文演習クラス、卒業後は東京の予備校に通いました。自分の得意分野を理解して伸ばすことと、それを活かせる大学・学部を選ぶことの大切さがこの体験記から理解できると思います。私立大学の結果が出た後、国立大学受験の「志望理由」についてメールで何度かやり取りをしたことが記憶に残っています。合格した大学・学部は、他に、早稲田大学(教育)、上智大学(外国語)、青山学院大学(国際政経)、東京外国語大学(国際日本)です

マレーシアでやっておいて良かったと思ったこと

- 学校だけでなく街中でもいろんな人(民族)と関わる
 日常生活でいろんな民族と関わりがあるマレーシアでの経験は貴重です。街中でどんな特徴があるか、人々の考え方にどう反映しているかを知るにもいろんな人と関わることが役に立ちました。また、それを忘れないよう記録しておくのもGOOD。長期間住んでいると多民族性にも慣れてしまい何が「マレーシアらしさ」なのかわからなくなってしまうので、面白い、珍しいと思ったものを後から思い出せるようにしておくことをお勧めします。

- マレーシアでの共存社会の秘訣を探す
 アメリカもヨーロッパも多民族多文化です。でもそのような地域では差別や同化・排外政策が問題になっています。一方マレーシアではブミプトラ政策などある程度優遇措置はあるものの、市民レベルでは共存ができています。その理由や方法を日常から見つけることは、日本における多文化共生の解決にも繋がると感じました。

日本の予備校で取り組んだこと

私は本帰国後に大手予備校に入りました。感じたメリットとしては3つあります。

①入試や試験の情報が手に入る、自分の試験準備をサポートしてくれるカウンセラーや先生がいる。

②過去問や過去の合格者の体験談が得られる。

③同じ帰国生の仲間と出会える。

小論文はACTでやっていたものの、各大学、各学部で求める内容は異なります。自分の目指す大学・学部のための小論文を練習していくことは、予備校でそれぞれの分野の先生に添削してもらうことが役立ちました。ただ、小論文を書く上での基礎をACTでやっていたおかげで、予備校での授業にも困らなかったので、ACTで授業を受けていて良かったです(クラスで小論文が得意な人として周りに褒められたのは、予備校に入る前からACTでやっていたおかげだと感じます笑)。

また、私の通っていた予備校ではほぼすべての大学の過去問、そして面接で聞かれたことが資料として残っていたため、受験準備に役立ちました。

そして③に関しては、長い受験期間友達と情報共有したり雑談したりすることがすごく支えになったので、予備校に入って良かったと思う理由です。受験となると自分一人で抱え込んでしまい、孤独に感じやすいです。でも予備校で友達と勉強したり、お互い良いライバルとして支え合うことの必要性を感じました。私自身、仲間がいたから3月まで勉強に励むことができたし、合格を一緒に祝える友達がいて本当に良かったです!

予備校とはいえ、ただ小論文を書くだけでなく社会時事や政治についても深く学ぶことができるので、たとえ希望の学校に届かなくても予備校で得たものは知識としてきっと自分のためになります。

受験を経験した上で感じたこと、当日の注意点など

  1. 国立を目指した身として感じたのは、TOEFLなどの統一試験や学校の成績よりも、小論文力が重要ということです。早慶などはたしかにTOEFL100前後が必要となりますが、国立はほぼ見てないと思います(一橋はそもそも提出しなくて大丈夫)。実際にTOEFL105以上・IB40以上でも一橋に受からなかった子もいました。それよりも小論文において、課題文の正確な理解力、分析力、自分の主張を的確に伝える語彙力を培うべきだと思います。その点に関して、私はTOEFLもそこまで高くなかったものの一橋に合格出来たのはACTで小論文の授業を受けていたからです(もちろん受験英語の対策も必要ですし、私自身参考書や過去問はみっちり勉強しました)。  

また、受験においていかに仲間が大切かを知りました。1人で勉強していたらここまで頑張れなかったし、私はまわりの勉強法や勉強時間を知ることでやる気に繋がったので良かったです。

当日の注意としては、まず前日に詰め込むことは避けて最終確認は当日の移動時間(電車内とか)にまわしましょう。焦って詰め込んでも結局内容が入ってないことがほとんどです。
 あと学校によっては待機時間中の電子機器の使用を禁止しているところもあるので、最後に確認したいノートは紙媒体で用意しておくことをおすすめします。ちなみに一橋の試験会場ではネットが届かなかったので休憩時間中の調べ物も出来ませんでした。

受験生へのメッセージ

私の失敗談ですが、持っていたTOEFLスコアが私大の要求するスコアの有効期間外だったことがありました。それに気づいたのもギリギリだったため慌ててTOEFLを受け直したら10点以上も下がり、仕方なくそのスコアを提出しました(なぜか合格しましたが正直もう無理と絶望してました)。帰国子女向けの大学受験は募集要項や必要条件が頻繁に変わり、情報もわずかです。要項をしっかり確認するのも大事ですが、やはりACTや予備校を通して一緒に確認してくれる先生を持つことはとても支えになりました。先生たちは何年も受験生をサポートして来たので、困った時も対応して下さいます。何回も質問、相談してお世話になりました。受験は一人で抱え込むと負担が重すぎるので、友達や先生、親の協力が大事です。頼れるところは頼りましょう!

そして、自分の実力で無理だと決めつけず、最後までやり切れば合格を得られることを知っていただきたいです。TOEFLが110越えでも早慶や一橋に落ちる人はいましたし、私はTOEFLが90点前半で高得点なわけではなかったけれど一橋に合格することができました。簡単に諦めずに頑張ってください!

他の注意点としては—

まず小論文に関して。課題文や設問に対して自分の関心のある分野、学部の内容に関連づける力があると強みになると思います。例えば一橋の小論文は例年、社会科学に関連した内容ですが、経済学部志望の人は経済学的な分析と問題提示、法学部志望の人は法学的な分析、といったように、同じ課題文でもさまざまな書き方ができます。そのためにはまず自分の興味ある分野や問題意識に気づくことも大切だと思います。

追加で出願に関して気をつけてほしいことですが、予定していた出願校を急に変更するということはよくあります。私も一橋受験は年末ごろに決めました。急に出願校を増やすこと自体は大丈夫ですが、それに必要な書類やスコアなどは余裕を持って準備しましょう。(知人にIBのスコア提出が間に合わなくて受理されなかった子がいました。)