KLスカラン by KAYA

複眼で見るマレーシアA面 第7回「パレスチナ所感」
1つのトピックに母娘それぞれの視点で迫るコラボレーションコラム

*スカラン(sekarang) :マレー語で「今」の意

今回はこの連載のタイトルにふさわしい生々しい現場からのレポートです。マジで「今」起こっていることをそのままお伝えしようと思います。

一昨日近所の食堂で朝ごはんを食べながらテレビを見ていると、いつも流れているイスラム教のお祈りの映像が変わっているのです!! 衝撃でした。

イスラム教では一日五回お祈りがあり、マレーシアではその時間になるとモスクからアザーンという呼びかけやお祈りの言葉が聞こえてきたり、国営放送のテレビチャンネルでは音声とともにモスクの映像が流れたりします。いつもの映像はこうしたモスク、そしてお祈りしている人たち、メッカの平和な映像が適当に流れている感じです。

でも一昨日流れていたのは、なんと爆撃の映像!!! モスクやメッカの映像から戦闘中の映像に変えられていました…。しかも結構グロテスク。そういえば最近マレーシア現首相のアンワル氏が、“Justice for Palestinian”と宣言していたなと思い出しました。アメリカはイスラエル寄りですが、実はマレーシアはそれ以上にパレスチナ寄りなのです。だからあの爆撃の映像もパレスチナとイスラエルの衝突時に撮られたものなのかもしれないですね。KLの街中では道端に出てる屋台やタクシーでもパレスチナの国旗を続々と掲げていたり、国旗のフェイスペイントをしている方もちらほら。

思い出してみると、この衝突が起こる前からマレーシアでパレスチナを感じることが多かった気がします。屋台でもパレスチナの国旗が印刷されているマスク、エプロンを着用してる人が多かった…。特にラマダンバザール(イスラム教の断食の時期に開かれる主に食べ物を売っているバザー)でとても多かったので記憶に残っています。やっぱりイスラム教徒が集まっていたからなのかな? あとパレスチナ難民ですって言って、お金とか施しをお願いしてくる人もいます(真偽は不明ですが)。

以前モスクを見学しに行った時に、ガイドの方がユダヤ教もイスラム教も元々は同じ場所、同じ神から発展したから、教えとかも結構理解できると話していました。だからこそ、こんな大きな対立を招くなんてすごい皮肉ですよね。日本だと気づきにくいけど、宗教ってマジでかなり大切なこと。自分のアイデンティティーの根幹だからこそ、似ていても簡単には分かり合えない、譲れないのかな…。宗教って難しい。